「年を重ねるにつれ、ご自身が亡くなられた後のことの心配が増えてくるのではないでしょうか。
漠然とした不安のご相談でも構いません。
少しでもご安心いただくお手伝いをさせていただきます。
すべての方に、遺言などの生前対策が必要とは思いません。
ただ、遺言書を作っておいてくれていたら…という事例に多く出会うのも事実です。
対策が必要なのは資産家だけ、というわけではありません。
遺言には、相続人の争いを防ぐことのほか、相続人の関係が円満であっても相続手続きを簡素化する、という効果もあります。
また、ご相談の結果、遺言ではお客様の希望が実現しにくい場合、生前の贈与や民事信託契約など別の手続きもご案内させていただいております。
相続放棄など裁判所手続きについて、業務内容ごとに詳しくご紹介しています。
相続の生前対策について、どういった時にどのような業務や手続きが必要になるかなどの流れをご相談の様子を使ってご紹介しています。
※事例の登場人物や名前は仮名です。
※相談内容はH29.4.1現在の法令に基づきます。
生前贈与・遺言書
相談者:ハシモト様(60歳・男性)
相談内容:
自分には、妻 ヨシコ(子はいない)と、別れた前の妻との間の子 ミチコがいるが、ミチコは私とも妻 ヨシコとも関係が悪く、長年連絡が取れていない。自分が亡くなった後に相続で揉めないか心配している。
- 自分が亡くなった後の相続手続きについて
不安があるんです。
子供は、
別れた前の妻との間の子ミチコだけで、前の妻は再婚してミチコも一緒に裕福に暮らしていると聞いているが、ミチコは私や今の妻ヨシコのことは良く思っていなかったようで、
今はこちらから連絡が取れない状態です。
私が亡くなった後、
妻ヨシコの生活のことが心配なので、自宅や預貯金は全てヨシコの生活のために使ってほしいが、相続手続きのことでミチコと揉めないか心配。
遺言書を書いておいても、ミチコが何を言ってくるか分からないので、私が生きているうちに不動産と預貯金の名義を妻にしておきたいんです。
- そうなんですね、それは心配ですね。
遺言による相続も、生きているうちに名義を変えておく「生前贈与」にも、それぞれ違うメリットとデメリットがあります。
まず生前贈与は、
生前に贈与しておくことで安心はできますが、贈与税や登記の際の登録免許税などの贈与に必要となる費用が、相続の場合に比べて多額になってしまう可能性が高いです。
ただし、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与を行う場合は2,000万円まで贈与税がかからないなどの特例を使うことにより、費用を抑えることもできます。
一方で遺言による相続は、生前贈与に比べ費用が少なくて済むケースがほとんどですが、亡くなられた後の相続手続きとなるため、不安に思われることもあると思います。
これについては、実際に相続手続きを行う「遺言執行者」を遺言書で決めておくなど、専門家に手続きを任せておくことでご安心いただけると考えます。
なお、生前贈与であっても遺言であっても、相続人である子ミチコさんには「遺留分」という相続人としての最低限の権利割合があり(今回のケースは、相続財産の4分の1)、
全ての財産を奥様に残される手続きをしていても、後でミチコさんに遺留分の請求をされる可能性がありますが、この遺留分に配慮した形で手続きを進めておくことで、トラブルを回避することもできます。
今日のご相談の内容を書面にまとめてお渡ししますので、どの方法を取るのがいいのか、
奥様もまじえてよく相談しながら考えていきましょう。
- 一番いい方法を探していたので、提案してもらえると助かります。
最終的に税理士へも相談し、
自宅の土地・建物については生前贈与、預貯金を含めた残りの財産については、子ミチコさんの遺留分に配慮した形で、遺言執行者を指定した遺言書を遺されることとなった。
ご依頼に至らなくても構いません。
お一人で考えるより、まずはご相談ください。
何かにお悩み・お困りのとき、何をすればいいのか分からない、どの手続きをするのが最善なのか分からない、という方は多いと思います。
また、必要な手続きが分かっていても、必要となる書類や費用を調べ、お一人で手続きを行うのは、心理的にも時間的にも負担を伴うものです。
結果的にご自分で手続きを行うことを選択されても構いません。
お一人で考えるより、まずは専門家にお問い合わせください。